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麻 疹(はしか)

●麻疹(はしか)とは
日本での麻疹ワクチンの接種率は、最近でも70%台で経過しており、
今でも、麻疹(はしか)の流行がよく見られます。
接種率は、先進国の中でも低い方で、日本は麻疹輸出国になっています。
麻疹(はしか)は空気感染でうつります。感染力が強く、保育所や幼稚園など
では流行が一気に広がります。また小中学生などで、麻疹ワクチンをすでに
受けているにもかかわらず麻疹になってしまったという話も聞きます。
(アメリカでは麻疹ワクチンを2回接種しています。)
それでも昔ほど流行しないので、今のお父さんやお母さんは麻疹の怖さの
認識が少ないように思います。いろいろな合併症が起こったり、麻疹そのものが
重症化するとしばしば致命的になります。わが国でも年間数万人の患者が発生して
50人近くの子供が亡くなっている怖い病気です。
1歳を超えれば出来るだけ早く(1歳未満でも流行のあるときや、保育所などに
入園させるときは)積極的にワクチンを受けて下さい。
母親からの抗体は、生後3-4ヶ月くらいまでは、有効ですが
生後4-6ヶ月を過ぎると徐々に減少し、生後8ヶ月以降になるとほとんど無効となり
実際に麻疹にかかる率が高くなるようです。
(参考:麻疹の予防に関しては、麻疹ワクチンのページを参考にしてください)  
●麻疹の症状(普通の場合)
麻疹経過
発 熱 38-39度の高熱が3〜4日間続き、いったんやや下がり気味となり
ますがその後、発疹の出現とともに、再度39-40度の高熱が数日
続きます。(二峰性発熱)
あまり痰のからまない咳ですが、かなり強くでます。
そのうち、痰がからんでくることが多いようです。
目やに 黄色や黄緑色の目やにが数日間続きます。(結膜炎)
発 疹 4日目ぐらいから出現することが多く、最初は2-3mm程度の丸い紅色の
発疹が顔面や首に出現します。発疹は胸や腕に拡大し、そのうち背中やお腹、
足にも広がります。それくらいになると発疹同士が融合し、色も暗褐色と変化し、
徐々に色素沈着(しみ)を残し治っていきます。色素沈着は、1-2週で消えていきます。
コプリック斑 発疹出現1〜3日前から出ることが多い。ほっぺたの裏側に白色の斑点が
多数見られます。(ちょうど、粉チーズをふりかけたようです。)
約2日間程度で消えます。
●麻疹の合併症
麻疹にかかっているときは、細菌による二次感染が起こりやすくなります。
(1)咽頭〜気道系の合併症
    
麻疹ウイルスによるもの(中耳炎、仮性クループ、細気管支炎、肺炎)
    
細菌の二次感染によるもの(中耳炎、気管支炎、肺炎、結核悪化)
(2)脳・神経系の合併症
    
ウイルス性脳炎(発疹出現後2-7日間の間に出やすい。1000人に1人くらい。
            嘔吐、頭痛、けいれん、意識障害などが症状)
    SSPE(亜急性硬化性全脳炎とよばれ、麻疹にかかったあと6〜7年後に発症します。
       日本では小児人口の100万人に0.57人、5-12歳に多い。2歳未満(特に1歳未満)
       で麻疹にかかり、軽症であった男児に多いとされています。学力低下や行動異常で
       始まることが多く、徐々に運動障害やてんかんが加わり意識障害や昏睡となります。
       以前は2年以内に大半は死亡していましたが、現在は発症から死亡までの期間は、
       1〜12年(平均6.4年)となっています。またワクチン接種していたほうが、
       SSPEにはなりにくい。また、SSPE青空の会という患者の親同士の会があり
       精神面での支えになっておられます。
(3)その他の合併症
    
下痢、カンジダ症、口内炎
●重症型の麻疹
非常にまれですが、上のような合併症がなくても、麻疹そのものが重症化することがあります。
(1)内攻型麻疹
    
普通の経過をしていたのに、発疹が突然消え、急に呼吸困難やチアノーゼ
    蒼白などの気管支肺炎や心不全の症状がでて、数時間以内に死亡します。
(2)出血性麻疹
    
急激に、けいれんや意識障害、呼吸困難が起こり、皮膚には広汎な出血斑が
    出現します。
●軽症型の麻疹
ガンマグロブリンで予防された場合や、3〜8ヶ月時で母親の免疫が残っている場合に
一般の麻疹の経過より軽くすむ場合があります。この場合、潜伏期が長くなったり
熱の出る期間が短かったり、コプリック斑が認められないなど麻疹かどうかはっきりしない
ことも多いので、出来れば抗体検査(NTやHI反応)を受け、抗体がない場合は、
ワクチンを接種して下さい。
●麻疹の治療
特別な治療法はありません。症状に応じて、せき止めや解熱剤などを使用します。
脱水や、ビタミン欠乏になりやすいので、水分や栄養の補給に気をつけましょう。
また、細菌の二次感染を引き起こしやすいので、抗生物質も服用します。
(呼吸器感染の合併が減ります。)
●いつから登校・登園
熱が下がって、3日を経過して元気があれば登園・登校してもかまいません。
実際の感染力は、熱の出る数日前から発疹が出そろう頃までが強いと考えられています。